相続税基本通達

このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 相続税基本通達の一部

  • (「扶養義務者」の意義)

  • 1の2‐1 相続税法(昭和25年法律第73号。以下「法」という。)第1条の2第1号に規定する「扶養義務者」とは、配偶者並びに民法(明治29年法律第89号)第877条《扶養義務者》の規定による直系血族及び兄弟姉妹並びに家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族をいうのであるが、これらの者のほか三親等内の親族で生計を一にする者については、家庭裁判所の審判がない場合であってもこれに該当するものとして取り扱うものとする。
     なお、上記扶養義務者に該当するかどうかの判定は、相続税にあっては相続開始の時、贈与税にあっては贈与の時の状況によることに留意する。

      

     

    (納税義務の範囲)

    1の3・1の4共‐3 法第1条の3第1項各号又は第1条の4第1項各号に掲げる者の相続税又は贈与税の納税義務の範囲は、それぞれ次のとおりであるから留意する。

    (1) 無制限納税義務者(法第1条の3第1項第1号又は第1条の4第1項第1号に掲げる個人以下「居住無制限納税義務者」という。又は第1条の3第1項第2号又は第1条の4第1項第2号に掲げる個人以下「非居住無制限納税義務者」という。をいう。以下同じ。) 相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産の所在地がどこにあるかにかかわらず当該取得財産の全部に対して相続税又は贈与税の納税義務を負う。

    (2) 制限納税義務者(法第1条の3第1項第3号又は第1条の4第1項第3号に掲げる個人以下「居住制限納税義務者」という。又は第1条の3第1項第4号又は第1条の4第1項第4号に掲げる個人以下「非居住制限納税義務者」という。をいう。以下同じ。) 相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産のうち法施行地にあるものに対してだけ相続税又は贈与税の納税義務を負う。

    (3) 特定納税義務者(法第1条の3第1項第5号に掲げる個人をいう。以下同じ。) 被相続人が法第21条の9第5項に規定する特定贈与者(以下「特定贈与者」という。)であるときの当該被相続人からの贈与により取得した財産で同条第3項の規定(以下「相続時精算課税」という。)の適用を受けるものに対して相続税の納税義務を負う。

    (注) 平成29年4月1日から平成34年3月31日までの間に非居住外国人(平成29年4月1日から相続若しくは遺贈又は贈与の時まで引き続き法施行地に住所を有しない個人であって日本国籍を有しないものをいう。)から相続若しくは遺贈又は贈与により財産を取得した時において法施行地に住所を有しない者であり、かつ、日本国籍を有しない個人については、所得税法等の一部を改正する等の法律(平成29年法律第4号)附則第31条第2項の規定により上記(2)の非居住制限納税義務者に当たることに留意する。

     

     

     

     

    (日本国籍と外国国籍とを併有する者がいる場合)

    1の3・1の4共‐7 法第1条の3第1項第2号イ又は第1条の4第1項第2号イに規定する「日本国籍を有する個人」には、日本国籍と外国国籍とを併有する重国籍者も含まれるのであるから留意する。

     

     

    (財産取得の時期の原則)

    1の3・1の4共‐8 相続若しくは遺贈又は贈与による財産取得の時期は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。

    (1) 相続又は遺贈の場合 相続の開始の時(失踪の宣告を相続開始原因とする相続については、民法第31条《失踪の宣告の効力》に規定する期間満了の時又は危難の去りたる時

    (2) 贈与の場合 書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、書面によらないものについてはその履行の時

     

     

    (停止条件付の遺贈又は贈与による財産取得の時期)

    1の3・1の4共‐9 次に掲げる停止条件付の遺贈又は贈与による財産取得の時期は、1の3・1の4共‐8にかかわらず、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。

    (1) 停止条件付の遺贈でその条件が遺贈をした者の死亡後に成就するものである場合 その条件が成就した時

    (2) 停止条件付の贈与である場合 その条件が成就した時

     

     

    (農地等の贈与による財産取得の時期)

    1の3・1の4共‐10 農地法(昭和27年法律第229号)第3条第1項《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》若しくは第5条第1項《農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限》本文の規定による許可を受けなければならない農地若しくは採草放牧地(以下1の3・1の4共‐10においてこれらを「農地等」という。)の贈与又は同項第6号の規定による届出をしてする農地等の贈与に係る取得の時期は、当該許可があった日又は当該届出の効力が生じた日後に贈与があったと認められる場合を除き、1の3・1の4共‐8及び1の3・1の4共‐9にかかわらず、当該許可があった日又は当該届出の効力が生じた日によるものとする。

     

     

    (財産取得の時期の特例)

    1の3・1の4共‐11 所有権等の移転の登記又は登録の目的となる財産について1の3・1の4共‐8の(2)の取扱いにより贈与の時期を判定する場合において、その贈与の時期が明確でないときは、特に反証のない限りその登記又は登録があった時に贈与があったものとして取り扱うものとする。ただし、鉱業権の贈与については、鉱業原簿に登録した日に贈与があったものとして取り扱うものとする。

     

     

    (財産の所在の判定)

    2・2の2共‐1 法第2条第2項及び第2条の2第2項に規定する「この法律の施行地にあるもの」であるかどうかは、法第10条の規定により判定するのであるから留意する。

     

     

    (「相続を放棄した者」の意義)

    3‐1 法第3条第1項に規定する「相続を放棄した者」とは、

  • 法第915条《相続の承認又は放棄をすべき期間》から第917条までに規定する期間内に同法第938条《相続の放棄の方式》の規定により家庭裁判所に申述して相続の放棄をした者(同法第919条第2項《相続の承認及び放棄の撤回及び取消し》の規定により放棄の取消しをした者を除く。)だけをいうのであって、正式に放棄の手続をとらないで事実上相続により財産を取得しなかったにとどまる者はこれに含まれないのであるから留意する。

     

     

    (「相続を放棄した者」の意義)

    3‐1 法第3条第1項に規定する「相続を放棄した者」とは、民法第915条《相続の承認又は放棄をすべき期間》から第917条までに規定する期間内に同法第938条《相続の放棄の方式》の規定により家庭裁判所に申述して相続の放棄をした者(同法第919条第2項《相続の承認及び放棄の撤回及び取消し》の規定により放棄の取消しをした者を除く。)だけをいうのであって、正式に放棄の手続をとらないで事実上相続により財産を取得しなかったにとどまる者はこれに含まれないのであるから留意する。

     

     

     

     

    (相続を放棄した者の財産の取得)

    3‐3 相続を放棄した者が法第3条第1項各号に掲げる財産を取得した場合においては、当該財産は遺贈により取得したものとみなされるのであるから留意する。

     

     

    (法施行令第1条の2第1項に含まれる契約)

    3‐4 相続税法施行令(昭和25年政令第71号。以下「法施行令」という。)第1条の2第1項第1号に規定する保険契約及び同項第3号に規定する契約には、同項第1号又は第3号に掲げる者と締結した保険法(平成20年法律第56号)第2条第9号《定義》に規定する傷害疾病定額保険契約(以下3‐5において同じ。)が含まれることに留意する。

     

     

    (法施行令第1条の2第2項に含まれる契約)

    3‐5 法施行令第1条の2第2項第1号に規定する保険契約及び同項第2号に規定する契約には、同項第1号又は第2号に掲げる者と締結した傷害疾病定額保険契約が含まれることに留意する。

     

     

    (法第3条第1項第1号に規定する保険金)

    3‐7 法第3条第1項第1号の生命保険契約又は損害保険契約(以下3‐7から3‐9まで及び3‐11から3‐13までにおいてこれらを「保険契約」という。)の保険金は、被保険者(被共済者を含む。以下同じ。)の死亡(死亡の直接の基因となった傷害を含む。以下3‐16及び3‐17において同じ。)を保険事故(共済事故を含む。以下同じ。)として支払われるいわゆる死亡保険金(死亡共済金を含む。以下同じ。)に限られ、被保険者の傷害(死亡の直接の基因となった傷害を除く。以下3‐7において同じ。)、疾病その他これらに類するもので死亡を伴わないものを保険事故として支払われる保険金(共済金を含む。以下同じ。)又は給付金は、当該被保険者の死亡後に支払われたものであっても、これに含まれないのであるから留意する。

    (注) 被保険者の傷害、疾病その他これらに類するもので死亡を伴わないものを保険事故として被保険者に支払われる保険金又は給付金が、当該被保険者の死亡後に支払われた場合には、当該被保険者たる被相続人の本来の相続財産になるのであるから留意する。

     

     

    (保険金とともに支払を受ける剰余金等)

    3‐8 法第3条第1項第1号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる保険金には、保険契約に基づき分配を受ける剰余金、割戻しを受ける割戻金及び払戻しを受ける前納保険料の額で、当該保険契約に基づき保険金とともに当該保険契約に係る保険金受取人(共済金受取人を含む。以下同じ。)が取得するものを含むものとする。

     

     

    (契約者貸付金等がある場合の保険金)

    3‐9 保険契約に基づき保険金が支払われる場合において、当該保険契約の契約者(共済契約者を含む。以下「保険契約者」という。)に対する貸付金若しくは保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)の振替貸付けに係る貸付金又は未払込保険料の額(いずれもその元利合計金額とし、以下3‐9及び5‐7においてこれらの合計金額を「契約者貸付金等の額」という。)があるため、当該保険金の額から当該契約者貸付金等の額が控除されるときの法第3条第1項第1号の規定の適用については、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次による。

    (1) 被相続人が保険契約者である場合
     保険金受取人は、当該契約者貸付金等の額を控除した金額に相当する保険金を取得したものとし、当該控除に係る契約者貸付金等の額に相当する保険金及び当該控除に係る契約者貸付金等の額に相当する債務はいずれもなかったものとする。

    (2) 被相続人以外の者が保険契約者である場合
     保険金受取人は、当該契約者貸付金等の額を控除した金額に相当する保険金を取得したものとし、当該控除に係る契約者貸付金等の額に相当する部分については、保険契約者が当該相当する部分の保険金を取得したものとする。

     

     

    (無保険車傷害保険契約に係る保険金)

    3‐10 無保険車傷害保険契約に基づいて取得する保険金は、損害賠償金としての性格を有することから法第3条第1項第1号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる保険金には含まれないものとして取り扱うものとする。

     

     

    (「保険金受取人」の意義)

    3‐11 法第3条第1項第1号に規定する「保険金受取人」とは、その保険契約に係る保険約款等の規定に基づいて保険事故の発生により保険金を受け取る権利を有する者(以下3‐12において「保険契約上の保険金受取人」という。)をいうものとする。

     

     

    (保険金受取人の実質判定)

    3‐12 保険契約上の保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得している場合において、保険金受取人の変更の手続がなされていなかったことにつきやむを得ない事情があると認められる場合など、現実に保険金を取得した者がその保険金を取得することについて相当な理由があると認められるときは、3‐11にかかわらず、その者を法第3条第1項第1号に規定する保険金受取人とするものとする。

     

     

    (被相続人が負担した保険料等)

    3‐13 法第3条第1項第1号、第3号及び第5号に規定する「被相続人が負担した保険料」は、保険契約に基づき払い込まれた保険料の合計額によるものとし、次に掲げる場合における保険料については、それぞれ次によるものとする。

    (1) 保険料の一部につき払込みの免除があった場合 当該免除に係る部分の保険料は保険契約に基づき払い込まれた保険料には含まれない。

    (2) 振替貸付けによる保険料の払込みがあった場合(当該振替貸付けに係る貸付金の金銭による返済がされたときを除く。)又は未払込保険料があった場合 当該振替貸付けに係る部分の保険料又は控除された未払込保険料に係る部分の保険料は保険契約者が払い込んだものとする。

    (注) 法第3条第1項第1号に規定する生命保険契約(以下「生命保険契約」という。)が、いわゆる契約転換制度により、既存の生命保険契約(以下3‐13及び5‐7において「転換前契約」という。)を新たな生命保険契約(以下5‐7において「転換後契約」という。)に転換したものである場合における法第3条第1項第1号、第3号及び第5号に規定する「被相続人が負担した保険料」には、転換前契約に基づいて被相続人が負担した保険料(5‐7の適用がある場合の当該保険料の額については、転換前契約に基づき払い込まれた保険料の額の合計額に、当該転換前契約に係る保険金額のうちに当該転換前契約に係る保険金額から責任準備金共済掛金積立金、剰余金、割戻金及び前納保険料を含む。をもって精算された契約者貸付金等の金額を控除した金額の占める割合を乗じて得た金額)も含むのであるから留意する。

     

     

    (保険料の全額)

    3‐14 法第3条第1項第1号に規定する「当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額」並びに同項第3号及び第5号に規定する「当該契約に係る保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額」の計算については、3‐13の取扱いに準ずるものとする。

     

     

     

    (保険料の負担者が被相続人以外の者である場合)

    3‐16 法第3条第1項第1号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる保険金は、保険料の負担者の死亡により支払われるものに限られ、その死亡した者及びその受取人以外の者が保険料を負担していたものについては、法第5条第1項の規定により保険金受取人が保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなされるのであるから留意する。

     

     

    (雇用主が保険料を負担している場合)

    3‐17 雇用主がその従業員(役員を含む。以下同じ。)のためにその者(その者の配偶者その他の親族を含む。)を被保険者とする生命保険契約又はこれらの者の身体を保険の目的とする損害保険契約に係る保険料の全部又は一部を負担している場合において、保険事故の発生により従業員その他の者が当該契約に係る保険金を取得したときの取扱いは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。ただし、雇用主が当該保険金を従業員の退職手当金等として支給することとしている場合には、当該保険金は法第3条第1項第2号に掲げる退職手当金等に該当するものとし、この取扱いを適用しない。

    (1) 従業員の死亡を保険事故としてその相続人その他の者が当該保険金を取得した場合 雇用主が負担した保険料は、当該従業員が負担していたものとして、当該保険料に対応する部分については、法第3条第1項第1号の規定を適用する。

    (2) 従業員以外の者の死亡を保険事故として当該従業員が当該保険金を取得した場合 雇用主が負担した保険料は、当該従業員が負担していたものとして、当該保険料に対応する部分については、相続税及び贈与税の課税関係は生じないものとする。

    (3) 従業員以外の者の死亡を保険事故として当該従業員及びその被保険者以外の者が当該保険金を取得した場合 雇用主が負担した保険料は、当該従業員が負担していたものとして、当該保険料に対応する部分については、法第5条第1項の規定を適用する。

    (注) 雇用主が契約者で、かつ、従業員以外の者が被保険者である生命保険契約に係る保険料を雇用主が負担している場合において、当該従業員が死亡したときは、当該生命保険契約に関する権利については、法第3条第1項第3号の規定は適用がないものとする。

     

     

    (退職手当金等の取扱い)

    3‐18 法第3条第1項第2号に規定する「被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与」(以下「退職手当金等」という。)とは、その名義のいかんにかかわらず実質上被相続人の退職手当金等として支給される金品をいうものとする。

     

     

    (退職手当金等の判定)

    3‐19 被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける金品が退職手当金等に該当するかどうかは、当該金品が退職給与規程その他これに準ずるものの定めに基づいて受ける場合においてはこれにより、その他の場合においては当該被相続人の地位、功労等を考慮し、当該被相続人の雇用主等が営む事業と類似する事業における当該被相続人と同様な地位にある者が受け、又は受けると認められる額等を勘案して判定するものとする。

     

     

    (弔慰金等の取扱い)

    3‐20 被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける弔慰金、花輪代、葬祭料等(以下「弔慰金等」という。)については、3‐18及び3‐19に該当すると認められるものを除き、次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額として取り扱い、当該金額を超える部分の金額があるときは、その超える部分に相当する金額は退職手当金等に該当するものとして取り扱うものとする。

    (1) 被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、その雇用主等から受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与(俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当等の合計額をいう。以下同じ。)の3年分(遺族の受ける弔慰金等の合計額のうち3‐23に掲げるものからなる部分の金額が3年分を超えるときはその金額)に相当する金額

    (2) 被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、その雇用主等から受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与の半年分(遺族の受ける弔慰金等の合計額のうち3‐23に掲げるものからなる部分の金額が半年分を超えるときはその金額)に相当する金額

     

     

    (普通給与の判定)

    3‐21 被相続人が非常勤役員である等のため、死亡当時に賞与だけを受けており普通給与を受けていなかった場合における3‐20に定める普通給与の判定は、その者が死亡当時の直近に受けた賞与の額又は雇用主等の営む事業と類似する事業における当該被相続人と同様な地位にある役員の受ける普通給与若しくは賞与の額等から勘案し、当該被相続人が普通給与と賞与の双方の形態で給与を受けていたとした場合において評定されるべき普通給与の額を基準とするものとする。

     

     

    (「業務上の死亡」等の意義)

    3‐22 3‐20に定める「業務」とは、当該被相続人に遂行すべきものとして割り当てられた仕事をいい、「業務上の死亡」とは、直接業務に起因する死亡又は業務と相当因果関係があると認められる死亡をいうものとして取り扱うものとする。

     

     

     

    (「給与」の意義)

    3‐24 法第3条第1項第2号に規定する「給与」には、現物で支給されるものも含むのであるから留意する。

     

     

    (退職手当金等の支給を受けた者)

    3‐25 法第3条第1項第2号の被相続人に支給されるべきであった退職手当金等の支給を受けた者とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる者をいうものとする。

    (1) 退職給与規程その他これに準ずるもの(以下3‐25において「退職給与規程等」という。)の定めによりその支給を受ける者が具体的に定められている場合 当該退職給与規程等により支給を受けることとなる者

    (2) 退職給与規程等により支給を受ける者が具体的に定められていない場合又は当該被相続人が退職給与規程等の適用を受けない者である場合

    イ 相続税の申告書を提出する時又は国税通則法(昭和37年法律第66号。以下「通則法」という。)第24条から第26条までの規定による更正(以下「更正」という。)若しくは決定(以下「決定」という。)をする時までに当該被相続人に係る退職手当金等を現実に取得した者があるとき その取得した者

    ロ 相続人全員の協議により当該被相続人に係る退職手当金等の支給を受ける者を定めたとき その定められた者

    ハ イ及びロ以外のとき その被相続人に係る相続人の全員

    (注) この場合には、各相続人は、当該被相続人に係る退職手当金等を各人均等に取得したものとして取り扱うものとする。

     

     

     

    (退職手当金等に該当する生命保険契約に関する権利等)

    3‐28 雇用主がその従業員のために、次に掲げる保険契約又は共済契約(これらの契約のうち一定期間内に保険事故が発生しなかった場合において返還金その他これに準ずるものの支払がないものを除く。)を締結している場合において、当該従業員の死亡によりその相続人その他の者がこれらの契約に関する権利を取得したときは、当該契約に関する権利は、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等に該当するものとする。

    (1) 従業員の配偶者その他の親族等を被保険者とする生命保険契約又は損害保険契約

    (2) 従業員又はその者の配偶者その他の親族等の有する財産を保険又は共済の目的とする損害保険契約又は共済契約

    (注) 上記の場合において退職手当金等とされる金額は、生命保険契約に関する権利として時価で評価したときの金額による。

     

     

     

     

    (「被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの」の意義)

    3‐30 法第3条第1項第2号に規定する「被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの」とは、被相続人に支給されるべきであった退職手当金等の額が被相続人の死亡後3年以内に確定したものをいい、実際に支給される時期が被相続人の死亡後3年以内であるかどうかを問わないものとする。この場合において、支給されることは確定していてもその額が確定しないものについては、同号の支給が確定したものには該当しないものとする。

     

     

    (被相続人の死亡後支給額が確定した退職手当金等)

    3‐31 被相続人の生前退職による退職手当金等であっても、その支給されるべき額が、被相続人の死亡前に確定しなかったもので、被相続人の死亡後3年以内に確定したものについては、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等に該当するのであるから留意する。

     

     

    (被相続人の死亡後確定した賞与)

    3‐32 被相続人が受けるべきであった賞与の額が被相続人の死亡後確定したものは、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等には該当しないで、本来の相続財産に属するものであるから留意する。

     

     

    (支給期の到来していない給与)

    3‐33 相続開始の時において支給期の到来していない俸給、給料等は、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等には該当しないで、本来の相続財産に属するものであるから留意する。

     

     

    (保険金受取人が死亡した場合の課税関係)

    3‐34 保険金受取人が死亡した時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約で当該保険金受取人が保険契約者でなく、かつ、保険料の負担者でないものについては、当該保険金受取人の死亡した時においては課税関係は生じないものとする。

     

     

    (契約者が取得したものとみなされた生命保険契約に関する権利)

    3‐35 法第3条第1項第3号の規定により、保険契約者が相続又は遺贈によって取得したものとみなされた部分の生命保険契約に関する権利は、そのみなされた時以後は当該契約者が自ら保険料を負担したものと同様に取り扱うものとする。

     

     

    (被保険者でない保険契約者が死亡した場合)

    3‐36 被保険者でない保険契約者が死亡した場合における生命保険契約に関する権利についての取扱いは、次に掲げるところによるものとする。

    (1) その者が当該契約(一定期間内に保険事故が発生しなかった場合においては、返還金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約を除く。以下(2)において同じ。)による保険料を負担している場合(法第3条第1項第3号の規定により、相続又は遺贈によって保険契約に関する権利を取得したものとみなされる場合を含む。)には、当該契約に関する権利は、相続人その他の者が相続又は遺贈により取得する財産となること。

    (2) その者が当該契約による保険料を負担していない場合(法第3条第1項第3号の規定により、相続又は遺贈によって保険契約に関する権利を取得したものとみなされる場合を除く。)には、課税しないものとすること。

     

     

    (保険契約者の範囲)

    3‐37 法第3条第1項第3号に規定する「生命保険契約の契約者」には、当該契約に関する権利を承継したものを含むものとする。

     

     

    (保険金受取人が取得した保険金で課税関係の生じない場合)

    3‐38 保険金受取人の取得した保険金の額のうち、法第3条第1項第3号の規定により当該保険金受取人が相続又は遺贈により取得したものとみなされた部分に対応する金額又は自己の負担した保険料の金額に対応する部分の金額については、相続又は遺贈によって取得する財産とはならないのであるから留意する。

     

     

    (「返還金その他これに準ずるもの」の意義)

    3‐39 法第3条第1項第3号に規定する「返還金その他これに準ずるもの」とは、生命保険契約の定めるところにより生命保険契約の解除(保険金の減額の場合を含む。)又は失効によって支払を受ける金額又は一定の事由(被保険者の自殺等)に基づき保険金の支払をしない場合において支払を受ける払戻金等をいうものとする。

     

     

    (定期金受取人が死亡した場合で課税関係の生じない場合)

    3‐40 定期金受取人となるべき者が死亡した時において、まだ給付事由の発生していない定期金給付契約(生命保険契約を除く。以下3‐43までにおいて同じ。)で当該定期金受取人が契約者でなく、かつ、掛金又は保険料の負担者でないものについては、当該定期金受取人の死亡した時においては課税関係は生じないものとする。

     

     

    (定期金給付事由の発生前に契約者が死亡した場合)

    3‐41 定期金給付契約の契約者が死亡した時において、まだ給付事由の発生していない定期金給付契約で当該契約者が掛金又は保険料の負担者でないものについては、当該契約者の死亡した時においては当該定期金給付契約に関する権利については、課税しないものとする。ただし、法第3条第1項第4号の規定により当該契約者が掛金又は保険料の負担者から当該定期金給付契約に関する権利を相続又は遺贈によって取得したものとみなされた場合におけるそのみなされた部分については、この限りでない。

     

     

    (定期金給付事由の発生前に掛金又は保険料の負担者が死亡した場合)

    3‐42 定期金給付事由の発生前に掛金又は保険料の負担者が死亡した場合におけるその定期金給付契約に関する権利は、契約者と掛金又は保険料の負担者とが同一人でないときは法第3条第1項第4号の規定によって契約者が掛金又は保険料の負担者からその負担した掛金又は保険料の金額のその相続の開始の時までに払い込まれた掛金又は保険料の全額に対する割合に相当する部分を相続又は遺贈により取得したものとみなされ、契約者と掛金又は保険料の負担者が同一人であるときは当該掛金又は保険料の負担者の本来の相続財産となることに留意する。

     

     

    (定期金給付契約の解除等があった場合)

    3‐43 定期金給付契約の解除、失効又は変更等により返還金又はこれに準ずるものの取得があつた場合には、法第6条第2項の規定によりその受取人が掛金又は保険料の負担者からその負担した掛金又は保険料の金額のこれらの事由が発生した時までに払い込まれた掛金又は保険料の全額に対する割合に相当する部分を贈与によって取得したものとみなされるのであるから留意する。

     

     

    (被相続人が負担した掛金又は保険料等)

    3‐44 法第3条第1項第4号及び第5号に規定する「被相続人が負担した掛金又は保険料」及び「当該契約に係る掛金又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額」の計算については、3‐13及び3‐14の取扱いに準ずるものとする。

     

     

    (退職手当金等を定期金として支給する場合)

    3‐47 法第3条第1項第6号に規定する「(第2号に掲げる給与に該当するもの)」とは、定期金又はこれに準ずる方法で支給される退職手当金等をいうのであって、これらのものについては、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等として課税するのであるから留意する。

     

     

    (「被相続人の被相続人」の意義)

    3‐48 法第3条第2項本文の規定は、被相続人の被相続人が負担した保険料又は掛金について適用があるのであって、その先代以前の被相続人が負担した保険料又は掛金については適用がないことに留意する。

     

    (相続財産法人からの財産分与の時期等)

    4‐1 民法第958条の3第1項《特別縁故者に対する相続財産の分与》の規定による相続財産の分与は、次のような段階を経て行われるので、相続開始後相当の期間(最短13か月)を経て行われることとなるのであるから、特に留意するものとする。

    (1) 民法第952条《相続財産の管理人の選任》の規定による相続財産の管理人の選任及び公告

    (2) 民法第957条《相続債権者及び受遺者に対する弁済》の規定による相続債権者及び受遺者に対しその請求の申出をすべき旨の公告

    (3) 民法第958条《相続人の捜索の公告》の規定による相続人があるならばその権利を主張すべき旨の公告

    (4) 民法第958条の3の規定による特別縁故者の財産分与の請求

     

     

     

    (損害賠償責任に関する保険又は共済の契約に基づく保険金)

    5‐4 次に掲げる保険又は共済の契約(これらに類する契約を含む。)に基づき支払われるいわゆる死亡保険金のうち契約者の損害賠償責任に基づく損害賠償金に充てられることが明らかである部分については、法施行令第1条の4に規定する「損害賠償責任に関する保険又は共済に係る契約に基づく保険金」に該当するものとして取り扱っても差し支えないものとする。

    (1) 自動車保険搭乗者傷害危険担保特約

    (2) 分割払自動車保険搭乗者傷害危険担保特約

    (3) 月掛自動車保険搭乗者傷害危険担保特約

    (4) 自動車運転者損害賠償責任保険搭乗者傷害危険担保特約

    (5) 航空保険搭乗者傷害危険担保特約

    (6) 観覧入場者傷害保険

    (7) 自動車共済搭乗者傷害危険担保特約

     

     

    (搭乗者保険等の契約に基づく保険金)

    5‐5 5‐4に掲げる保険又は共済の契約(これらに類する契約を含む。)に基づき相続人が取得した死亡保険金については、次によることとなるのであるから留意する。

    (1) 被相続人が当該契約に係る保険料の全部又は一部を負担した場合 当該保険金のうち被相続人の負担した保険料に対応する部分は、法第3条第1項第1号に規定する保険金に該当する。

    (2) 被相続人及び保険金受取人以外の者が当該契約に係る保険料を負担した場合 当該保険金のうち被相続人及び保険金受取人以外の者が負担した保険料に対応する部分は、法第5条第1項に規定する保険金に該当する(5‐4により損害賠償責任に関する保険又は共済に係る契約に基づく保険金として取り扱われる部分を除く。)。

     

     

    (返還金その他これに準ずるものの取扱いの準用)

    5‐6 法第5条第2項に規定する「返還金その他これに準ずるもの」については、3‐39の取扱いに準ずるものとする。

     

     

    (生命保険契約の転換があつた場合)

    5‐7 いわゆる契約転換制度により生命保険契約を転換前契約から転換後契約に転換した場合において、当該転換に際し転換前契約に係る契約者貸付金等の額が転換前契約に係る責任準備金(共済掛金積立金、剰余金、割戻金及び前納保険料を含む。)をもって精算されたときは、当該精算された契約者貸付金等の額に相当する金額は、転換前契約に係る契約者が取得した法第5条第2項に規定する「返還金その他これに準ずるもの」に該当するものとする。

     

     

    (「定期金受取人」等の意義)

    6‐1 法第6条第3項に規定する「定期金受取人」とは定期金の継続受取人をいい、「被相続人」とは、法第3条第1項第5号に規定する定期金受取人たる被相続人をいうのであるから留意する。

     

     

    (定期金受取人以外の者が負担した掛金又は保険料)

    6‐2 法第6条第1項に規定する「定期金受取人以外の者が負担した掛金又は保険料」及び同条第3項に規定する「当該第三者が負担した掛金又は保険料」の金額の計算については、3‐13の取扱いに準ずるものとする。

     

     

    (定期金受取人が掛金又は保険料の負担者である場合)

    6‐3 定期金給付契約(生命保険契約を除く。)の定期金の給付事由が発生した場合においても、その定期金受取人が取得した定期金給付契約に関する権利のうち、その者が法第3条第1項第4号の規定により相続又は遺贈によって取得したとみなされた部分及び自ら負担した掛金又は保険料の金額のその給付事由の発生した時までに払い込まれた掛金又は保険料の全額に対する割合に相当する部分については、相続税及び贈与税の課税関係は生じないのであるから留意する。

     

     

    (著しく低い価額の判定)

    7‐1 法第7条に規定する「著しく低い価額」であるかどうかは、譲渡があった財産が2以上ある場合には、譲渡があった個々の財産ごとに判定するのではなく、財産の譲渡があった時ごとに譲渡があった財産を一括して判定するものとする。

     

     

    (公開の市場等で著しく低い価額で財産を取得した場合)

    7‐2 不特定多数の者の競争により財産を取得する等公開された市場において財産を取得したような場合においては、たとえ、当該取得価額が当該財産と同種の財産に通常付けられるべき価額に比べて著しく低いと認められる価額であっても、課税上弊害があると認められる場合を除き、法第7条の規定を適用しないことに取り扱うものとする。

     

     

    (債務の範囲)

    7‐3 法第7条に規定する「債務」には、公租公課を含むものとして取り扱うものとする。

     

     

    (「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」の意義)

    7‐4 法第7条に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」とは、その者の債務の金額が積極財産の価額を超えるときのように社会通念上債務の支払が不能(破産手続開始の原因となる程度に至らないものを含む。)と認められる場合をいうものとする。

     

     

    (弁済することが困難である部分の金額の取扱い)

    7‐5 法第7条に規定する「債務を弁済することが困難である部分の金額」は、債務超過の部分の金額から、債務者の信用による債務の借換え、労務の提供等の手段により近い将来において当該債務の弁済に充てることができる金額を控除した金額をいうものとするのであるが、特に支障がないと認められる場合においては、債務超過の部分の金額を「債務を弁済することが困難である部分の金額」として取り扱っても妨げないものとする。

     

     

    (債務の免除)

    8‐1 法第8条第1号に掲げる場合に該当する「債務の免除」には、その債務者の扶養義務者以外の者によってされた免除をも含むのであるから留意する。

     

     

    (事業所得の総収入金額に算入される債務免除益)

    8‐2 所得税法(昭和40年法律第33号)の規定により事業所得の総収入金額に算入される割引又は割戻しによる利益については、法第8条の規定は適用しないものとして取り扱うものとする。

     

     

    (連帯債務者及び保証人の求償権の放棄)

    8‐3 次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる金額につき法第8条の規定による贈与があったものとみなされるのであるから留意する。

    (1) 連帯債務者が自己の負担に属する債務の部分を超えて弁済した場合において、その超える部分の金額について他の債務者に対し求償権を放棄したとき その超える部分の金額

    (2) 保証債務者が主たる債務者の弁済すべき債務を弁済した場合において、その求償権を放棄したとき その代わって弁済した金額

     

     

    (法第7条の規定に関する取扱いの準用)

    8‐4 法第8条に規定する「著しく低い価額」、「債務」、「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」及び「債務を弁済することが困難である部分の金額」については、7‐1及び7‐3から7‐5までの取扱いに準ずるものとする。

     

     

    (「利益を受けた」の意義)

    9‐1 法第9条に規定する「利益を受けた」とは、おおむね利益を受けた者の財産の増加又は債務の減少があった場合等をいい、労務の提供等を受けたような場合は、これに含まないものとする。

     

     

    (株式又は出資の価額が増加した場合)

    9‐2 同族会社(法人税法昭和40年法律第34号第2条第10号に規定する同族会社をいう。以下同じ。)の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。

    (1) 会社に対し無償で財産の提供があった場合 当該財産を提供した者

    (2) 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 当該現物出資をした者

    (3) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 当該債務の免除、引受け又は弁済をした者

    (4) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 当該財産の譲渡をした者

     

     

    (会社が資力を喪失した場合における私財提供等)

    9‐3 同族会社の取締役、業務を執行する社員その他の者が、その会社が資力を喪失した場合において9‐2の(1)から(4)までに掲げる行為をしたときは、それらの行為によりその会社が受けた利益に相当する金額のうち、その会社の債務超過額に相当する部分の金額については、9‐2にかかわらず、贈与によって取得したものとして取り扱わないものとする。
     なお、会社が資力を喪失した場合とは、法令に基づく会社更生、再生計画認可の決定、会社の整理等の法定手続による整理のほか、株主総会の決議、債権者集会の協議等により再建整備のために負債整理に入ったような場合をいうのであって、単に一時的に債務超過となっている場合は、これに該当しないのであるから留意する。

     

     

    (同族会社の募集株式引受権)

    9‐4 同族会社が新株の発行(当該同族会社の有する自己株式の処分を含む。以下9‐7までにおいて同じ。)をする場合において、当該新株に係る引受権(以下9‐5までにおいて「募集株式引受権」という。)の全部又は一部が会社法(平成17年法律第86号)第206条各号《募集株式の引受け》に掲げる者(当該同族会社の株主の親族等親族その他法施行令第31条に定める特別の関係がある者をいう。以下同じ。に限る。)に与えられ、当該募集株式引受権に基づき新株を取得したときは、原則として、当該株主の親族等が、当該募集株式引受権を当該株主から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。ただし、当該募集株式引受権が給与所得又は退職所得として所得税の課税対象となる場合を除くものとする。

     

     

    (贈与により取得したものとする募集株式引受権数の計算)

    9‐5 9‐4において、だれからどれだけの数の募集株式引受権の贈与があったものとするかは、次の算式により計算するものとする。この場合において、その者の親族等が2人以上あるときは、当該親族等の1人ごとに計算するものとする。

    ×

    その者の親族等から贈与により取得したものとする募集株式引受数

     

    (注) 算式中の符号は、次のとおりである。

    Aは、他の株主又は従業員と同じ条件により与えられる募集株式引受権の数を超えて与えられた者のその超える部分の募集株式引受権の数

    Bは、当該法人の株主又は従業員が他の株主又は従業員と同じ条件により与えられる募集株式引受権のうち、その者の取得した新株の数が、当該与えられる募集株式引受権の数に満たない数の総数

    Cは、Bの募集株式引受権の総数のうち、Aに掲げる者の親族等(親族等が2人以上あるときは、当該親族等の1人ごと)の占めているものの数

     

    (合同会社等の増資)

    9‐6 同族会社である合同会社及び合資会社の増資については、9‐4及び9‐5の取扱いに準ずるものとする。

     

     

     

     

    (婚姻の取消し又は離婚により財産の取得があつた場合)

    9‐8 婚姻の取消し又は離婚による財産の分与によって取得した財産(民法第768条《財産分与》、第771条《協議上の離婚の規定の準用》及び第749条《離婚の規定の準用》参照)については、贈与により取得した財産とはならないのであるから留意する。ただし、その分与に係る財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合における当該過当である部分又は離婚を手段として贈与税若しくは相続税のほ脱を図ると認められる場合における当該離婚により取得した財産の価額は、贈与によって取得した財産となるのであるから留意する。

     

     

    (財産の名義変更があった場合)

    9‐9 不動産、株式等の名義の変更があつた場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものとする。

     

     

    (無利子の金銭貸与等)

    9‐10 夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、無利子の金銭の貸与等があった場合には、それが事実上贈与であるのにかかわらず貸与の形式をとったものであるかどうかについて念査を要するのであるが、これらの特殊関係のある者間において、無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の貸与があった場合には、法第9条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする。

     

     

    (負担付贈与等)

    9‐11 負担付贈与又は負担付遺贈があった場合において当該負担額が第三者の利益に帰すときは、当該第三者が、当該負担額に相当する金額を、贈与又は遺贈によって取得したこととなるのであるから留意する。この場合において、当該負担が停止条件付のものであるときは、当該条件が成就した時に当該負担額相当額を贈与又は遺贈によって取得したことになるのであるから留意する。

     

     

    (共有持分の放棄)

    9‐12 共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄(相続の放棄を除く。)したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得したものとして取り扱うものとする。

     

     

     

    (生命保険契約及び損害保険契約の所在)

    10‐2 法第3条第1項第1号に規定する生命保険契約及び損害保険契約の所在については、法第10条第1項第5号の規定に準ずるものとする。

     

     

    (「貸付金債権」の意義)

    10‐3 法第10条第1項第7号に掲げる「貸付金債権」には、いわゆる融通手形による貸付金を含み、売掛債権、いわゆる商業手形債権その他事業取引に関して発生した債権で短期間内(おおむね6月以内)に返済されるべき性質のものは含まれないものとする。

     

     

    (主たる債務者が2以上ある場合の債権の所在)

    10‐4 主たる債務者が2以上ある場合におけるその債権の所在については、法施行令第1条の14の規定により判定するものとする。

     

     

    (株式に関する権利等の所在)

    10‐5 法第10条第1項第8号に掲げる「株式」には、株式に関する権利を含むものとし、「出資」には、出資に関する権利を含むものとする。

     

     

    (営業上の権利)

    10‐6 法第10条第1項第13号に掲げる「営業上の権利」には、売掛金等のほか、その営業又は事業に関する営業権、電話加入権等をも含むものとする。

     

     

    (「財産」の意義)

    11の2‐1 法に規定する「財産」とは、金銭に見積ることができる経済的価値のあるすべてのものをいうのであるが、なお次に留意する。

    (1) 財産には、物権、債権及び無体財産権に限らず、信託受益権、電話加入権等が含まれること。

    (2) 財産には、法律上の根拠を有しないものであっても経済的価値が認められているもの、例えば、営業権のようなものが含まれること。

    (3) 質権、抵当権又は地役権(区分地上権に準ずる地役権を除く。)のように従たる権利は、主たる権利の価値を担保し、又は増加させるものであって、独立して財産を構成しないこと。

     

     

    (遺産が未分割の場合の課税価格の計算)

    11の2‐2 相続税の課税価格は、相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものに係る贈与を含む。)により取得した財産の価額及び法第19条第1項の規定により相続税の課税価格に加算される財産の価額の合計額をいうのであるが、未分割の遺産がある場合には、法第55条本文の規定を適用して、各相続人又は包括受遺者の課税価格を計算するのであるから留意する。

     

    (胎児が生まれる前における共同相続人の相続分)

    11の2‐3 相続人のうちに民法第886条《相続に関する胎児の権利能力》の規定により既に生まれたものとみなされる胎児がある場合で、相続税の申告書提出の時(更正又は決定をする時を含む。)においてまだその胎児が生まれていないときは、その胎児がいないものとした場合における各相続人の相続分によって課税価格を計算することに取り扱うものとする。

     

     

    (裁判確定前の相続分)

    11の2‐4 相続税の申告書を提出する時又は課税価格及び相続税額を更正し、若しくは決定する時において、まだ法第32条第1項第2号、同項第3号、法施行令第8条第2項第1号又は第2号に掲げる事由が未確定の場合には、当該事由がないものとした場合における各相続人の相続分を基礎として課税価格を計算することに取り扱うものとする。

     

     

    (相続開始の年に当該相続に係る被相続人から受けた贈与財産の価額)

    11の2‐5 相続又は遺贈によつて財産を取得した者がその相続開始の年において当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産(被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税の適用を受ける財産を除く。)の価額については、法第21条の2第4項の規定により贈与税の課税価格に算入しないで相続税の課税価格に加算するのであるから留意する。
     また、相続開始の年において特定贈与者である被相続人からの贈与により取得した相続時精算課税の適用を受ける財産の価額については、法第21条の10の規定により贈与税の課税価格に算入される(法第28条第4項の規定により当該財産については贈与税の申告を要しない。)とともに、法第21条の15第1項又は第21条の16第1項の規定により相続税の課税価格にも算入されることとなるのであるから留意する。

    (注) 相続開始の年において当該相続に係る被相続人からの贈与により財産を取得した者が当該財産について相続時精算課税の適用を受けるためには、当該相続開始の年の前年以前の年分の贈与について法施行令第5条第1項に規定する「相続時精算課税選択届出書」(以下「相続時精算課税選択届出書」という。)を提出している場合を除き、当該相続時精算課税選択届出書を提出しなければならないのであるから留意する。

     

     

    (譲渡担保)

    11の2‐6 いわゆる譲渡担保(金銭消費貸借の担保として当該担保物の所有権を移転したもの又は債務金額によって買戻しする特約のあるものをいう。)については、原則として、次により取り扱うものとする。

    (1) 債権者については、債権金額に相当する金額を当該債権者の課税価格計算の基礎に算入し、当該譲渡担保の目的たる財産の価額に相当する金額は、これに算入しないこと。

    (2) 債務者については、当該譲渡担保の目的たる財産の価額に相当する金額を当該債務者の課税価格計算の基礎に算入し、債務金額に相当する金額は控除すること。

     

     

    (負担付遺贈があった場合の課税価格の計算)

    11の2‐7 負担付遺贈により取得した財産の価額は、負担がないものとした場合における当該財産の価額から当該負担額(当該遺贈のあった時において確実と認められる金額に限る。)を控除した価額によるものとする。

     

     

    (停止条件付遺贈があった場合の課税価格の計算)

    11の2‐8 停止条件付の遺贈があった場合において当該条件の成就前に相続税の申告書を提出するとき又は更正若しくは決定をするときは、当該遺贈の目的となった財産については、相続人が民法第900条《法定相続分》から第903条《特別受益者の相続分》までの規定による相続分によって当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算するものとする。ただし、当該財産の分割があり、その分割が当該相続分の割合に従ってされなかった場合において当該分割により取得した財産を基礎として申告があった場合においては、その申告を認めても差し支えないものとする。

     

     

    (代償分割が行われた場合の課税価格の計算)

    11の2‐9 代償分割の方法により相続財産の全部又は一部の分割が行われた場合における法第11条の2第1項又は第2項の規定による相続税の課税価格の計算は、次に掲げる者の区分に応じ、それぞれ次に掲げるところによるものとする。

    (1) 代償財産の交付を受けた者 相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額との合計額

    (2) 代償財産の交付をした者 相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額から交付をした代償財産の価額を控除した金額

    (注) 「代償分割」とは、共同相続人又は包括受遺者のうち1人又は数人が相続又は包括遺贈により取得した財産の現物を取得し、その現物を取得した者が他の共同相続人又は包括受遺者に対して債務を負担する分割の方法をいうのであるから留意する。

     

    (代償財産の価額)

    11の2‐10 11の2‐9の(1)及び(2)の代償財産の価額は、代償分割の対象となった財産を現物で取得した者が他の共同相続人又は包括受遺者に対して負担した債務(以下「代償債務」という。)の額の相続開始の時における金額によるものとする。
     ただし、次に掲げる場合に該当するときは、当該代償財産の価額はそれぞれ次に掲げるところによるものとする。

    (1) 共同相続人及び包括受遺者の全員の協議に基づいて代償財産の額を次の(2)に掲げる算式に準じて又は合理的と認められる方法によって計算して申告があった場合 当該申告があった金額

    (2) (1)以外の場合で、代償債務の額が、代償分割の対象となった財産が特定され、かつ、当該財産の代償分割の時における通常の取引価額を基として決定されているとき 次の算式により計算した金額

    ×

     

    (注) 算式中の符号は、次のとおりである。

    Aは、代償債務の額

    Bは、代償債務の額の決定の基となった代償分割の対象となった財産の代償分割の時における価額

    Cは、代償分割の対象となった財産の相続開始の時における価額(評価基本通達の定めにより評価した価額をいう。

     

     

    (「墓所、霊びょう」の意義)

    12‐1 法第12条第1項第2号に規定する「墓所、霊びょう」には、墓地、墓石及びおたまやのようなもののほか、これらのものの尊厳の維持に要する土地その他の物件をも含むものとして取り扱うものとする。

     

     

    (祭具等の範囲)

    12‐2 法第12条第1項第2号に規定する「これらに準ずるもの」とは、庭内神し、神たな、神体、神具、仏壇、位はい、仏像、仏具、古墳等で日常礼拝の用に供しているものをいうのであるが、商品、骨とう品又は投資の対象として所有するものはこれに含まれないものとする。

     

     

    (「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」の意義)

    12‐3 法第12条第1項第3号に規定する「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」とは、その財産について、相続開始の時において当該公益を目的とする事業の用に供することに関する具体的計画があり、かつ、当該公益を目的とする事業の用に供される状況にあるものをいうものとする。したがって、個人生活の用に供されるものは、これに該当しないことに留意する。

     

     

    (財産を取得した後公益事業の用に供しない場合)

    12‐4 法第12条第1項第3号に規定する「宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者」から当該事業の用に供されている財産を相続又は遺贈によって取得した場合において、その取得した者が公益事業を行わないときはもちろんのこと、2年以内に公益事業を行うときであっても、当該財産を当該事業の用に供していないときは、相続税の課税価格に算入するのであるから留意する。

     

     

    (財産を取得した後公益事業を行う場合)

    12‐5 法第12条第1項第3号に規定する「宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者」から当該事業の用に供されている財産を相続又は遺贈によって取得した者が、当該財産を取得すると同時に当該事業を受け継いで行う場合には、当該公益を目的とする事業の用に供されている財産については法第12条第1項第3号に掲げる財産に該当するものとして取り扱うものとする。ただし、次の(1)又は(2)に該当する場合においては、この限りでない。

    (1) 相続税の申告書の提出期限までに当該事業の用に供される財産が未分割である場合

    (2) 当該事業の規模が当該相続又は遺贈に係る被相続人が行っていた当該事業の規模より著しく縮小される場合

     

     

    (「当該財産を当該公益を目的とする事業の用に供していない場合」の意義)

    12‐6 法第12条第2項(法第21条の3第2項の規定によりこの規定を準用する場合を含む。)に規定する「当該財産を当該公益を目的とする事業の用に供していない場合」とは、財産を取得した者が当該財産を現実に当該公益を目的とする事業の用に供している場合以外の場合をいうのであるから、当初当該財産を公益を目的とする事業の用に供していても2年を経過した日現在において、その用に供しなくなった場合をも含むことに留意する。

     

     

    (公益事業の用に供しなかった財産)

    12‐7 法第12条第2項の規定により、財産を取得した日から2年を経過した日において、なお当該財産を法第12条第1項第3号に規定する公益を目的とする事業の用に供していないために、当該財産の価額を課税価格に算入することになった場合においては、当該財産を取得した時の時価によって評価し、相続税の課税価格の計算の基礎に算入するものとする。この場合において、その者については延滞税及び各種加算税の納付義務があるのであるから留意する。

     

     

    (相続を放棄した者等の取得した保険金)

    12‐8 相続を放棄した者又は相続権を失った者が取得した保険金については、法第12条第1項第5号に掲げる保険金の非課税金額の規定の適用がないのであるから留意する。

     

     

    (保険金の非課税金額の計算)

    12‐9 相続人の取得した法第3条第1項第1号に掲げる保険金(法第12条第1項第4号に掲げる給付金を受ける権利を除く。以下12‐9において同じ。)の合計額の全部又は一部について租税特別措置法(昭和32年法律第26号。以下「措置法」という。)第70条第1項(同条第10項において準用する場合を含む。)又は第3項の規定の適用を受ける部分がある場合は、同条の規定の適用を受ける部分の金額を控除した後の保険金の額を基礎として法第12条第1項第5号に掲げる保険金の非課税金額を計算するものとする。なお、同号ロの規定によるこの保険金の非課税金額の計算を算式で示せば、次のとおりである。

    (500万円×n)

    ×

    各相続人の非課税金額


    (注)

    1 算式中の符号は、次のとおりである。

    nは、法第15条第2項に規定する相続人の数

    Aは、各相続人が取得した保険金の合計額の総額

    Bは、各相続人が取得した保険金の合計額

    2 各相続人が取得した保険金の合計額の総額が、500万円に法第15条第2項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額以下の場合には、各相続人の取得した保険金の合計額に相当する金額が、その者の保険金の非課税金額となるのであるから留意する。

    3 保険金を取得した被相続人の養子(相続を放棄した者を除く。)については、全員保険金の非課税金額の適用があることに留意する。

     

     

    (保険金についての取扱いの準用)

    12‐10 相続を放棄した者等の取得した退職手当金等及び退職手当金等の非課税金額の計算については、12‐8及び12‐9の取扱いに準ずるものとする。

     

     

    (相続を放棄した者等の債務控除)

    13‐1 相続を放棄した者及び相続権を失った者については、法第13条の規定の適用はないのであるが、その者が現実に被相続人の葬式費用を負担した場合においては、当該負担額は、その者の遺贈によって取得した財産の価額から債務控除しても差し支えないものとする。

     

     

    (相続財産に関する費用)

    13‐2 民法第885条《相続財産に関する費用》の規定により相続財産の中から支弁する相続財産に関する費用は、法第13条第1項第1号に掲げる債務とはならないのであるから留意する。

     

     

    (「その者の負担に属する部分の金額」の意義)

    13‐3 法第13条第1項に規定する「その者の負担に属する部分の金額」とは、相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。)によって財産を取得した者が実際に負担する金額をいうのであるが、この場合において、これらの者の実際に負担する金額が確定していないときは民法第900条から第902条《遺言による相続分の指定》までの規定による相続分又は包括遺贈の割合に応じて負担する金額をいうものとして取り扱う。ただし、共同相続人又は包括受遺者が当該相続分又は包括遺贈の割合に応じて負担することとした場合の金額が相続又は遺贈により取得した財産の価額を超えることとなる場合において、その超える部分の金額を他の共同相続人又は包括受遺者の相続税の課税価格の計算上控除することとして申告があったときは、これを認める。

     

     

    (葬式費用)

    13‐4 法第13条第1項の規定により葬式費用として控除する金額は、次に掲げる金額の範囲内のものとする。

    (1) 葬式若しくは葬送に際し、又はこれらの前において、埋葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用(仮葬式と本葬式とを行うものにあっては、その両者の費用

    (2) 葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用

    (3) (1)又は(2)に掲げるもののほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの

    (4) 死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用

     

     

    (葬式費用でないもの)

    13‐5 次に掲げるような費用は、葬式費用として取り扱わないものとする。

    (1) 香典返戻費用

    (2) 墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料

    (3) 法会に要する費用

    (4) 医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用

     

     

    (墓碑の買入代金)

    13‐6 被相続人の生存中に墓碑を買い入れ、その代金が未払であるような場合には、法第13条第3項本文の規定により、当該未払代金は債務として控除しないのであるから留意する。

     

     

    (「その財産に係る公租公課」の意義)

    13‐7 法第13条第2項第1号に掲げる「その財産に係る公租公課」とは、法施行地にある財産を課税客体とする公租公課、例えば、固定資産税、鉱区税等をいうものとする。

     

     

    (源泉所得税、消費税の控除)

    13‐8 営業所又は事業所において所得税法第4編《源泉徴収》の規定により源泉徴収した所得税(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法平成23年法律第117号第4章《復興特別所得税》第4節《源泉徴収》の規定により源泉徴収した復興特別所得税を含む。)で相続開始の際に未納であったもの並びに当該営業所又は事業所において生じた消費税、揮発油税及び地方揮発油税、酒税等で相続開始の際に未納であったものは、法第13条第2項第5号に掲げる債務に該当するものとして取り扱うものとする。

     

     

    (相続時精算課税適用者の債務控除)

    13‐9 法第21条の9第5項に規定する相続時精算課税適用者(以下「相続時精算課税適用者」という。)に係る法第13条の規定の適用については、当該相続時精算課税適用者の相続又は遺贈による財産の取得の有無に応じて、それぞれ次に掲げるとおりとなるのであるから留意する。

    (1) 相続又は遺贈により財産を取得した相続時精算課税適用者(法第21条の15第1項に該当する者) 無制限納税義務者である場合には第13条第1項の規定、制限納税義務者である場合には同条第2項の規定が適用される。

    (注) 当該相続時精算課税適用者が、相続人に該当せず、かつ、特定遺贈のみによって財産を取得した場合には、同条の規定は適用されないのであるから留意する。

    (2) 相続又は遺贈により財産を取得しなかった相続時精算課税適用者(法第21条の16第1項に該当する者) 当該相続に係る被相続人の相続開始の時において法施行地に住所を有する者である場合には第13条第1項の規定、法施行地に住所を有しない者である場合には同条第2項の規定が適用される。

    (注) 当該相続時精算課税適用者が、相続人又は包括受遺者に該当しない場合には、同条の規定は適用されないのであるから留意する。

     

     

    (死亡した相続時精算課税適用者に係る債務控除)

    13‐10 特定贈与者の死亡に係る相続税額の計算において、当該特定贈与者の死亡前に死亡している相続時精算課税適用者については、法第13条の規定の適用はないのであるから留意する。

    (注) 特定贈与者の死亡に係る相続税額の計算上、当該特定贈与者の債務及び当該特定贈与者に係る葬式費用については、当該特定贈与者の相続人又は包括受遺者の課税価格から控除するのであるから留意する。

     

     

    (確実な債務)

    14‐1 債務が確実であるかどうかについては、必ずしも書面の証拠があることを必要としないものとする。
     なお、債務の金額が確定していなくても当該債務の存在が確実と認められるものについては、相続開始当時の現況によって確実と認められる範囲の金額だけを控除するものとする。

     

     

    (公租公課の異動の場合)

    14‐2 課税価格又は相続税額の申告、更正又は決定があった後、法第13条及び第14条の規定により控除すべき公租公課に異動が生じたときは、当該課税価格及び相続税額について、更正を要するのであるから留意する。

     

     

    (保証債務及び連帯債務)

    14‐3 保証債務及び連帯債務については、次に掲げるところにより取り扱うものとする。

    (1) 保証債務については、控除しないこと。ただし、主たる債務者が弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければならない場合で、かつ、主たる債務者に求償して返還を受ける見込みがない場合には、主たる債務者が弁済不能の部分の金額は、当該保証債務者の債務として控除すること。

    (2) 連帯債務については、連帯債務者のうちで債務控除を受けようとする者の負担すべき金額が明らかとなっている場合には、当該負担金額を控除し、連帯債務者のうちに弁済不能の状態にある者(以下14‐3において「弁済不能者」という。)があり、かつ、求償して弁済を受ける見込みがなく、当該弁済不能者の負担部分をも負担しなければならないと認められる場合には、その負担しなければならないと認められる部分の金額も当該債務控除を受けようとする者の負担部分として控除すること。

     

     

    (消滅時効の完成した債務)

    14‐4 相続の開始の時において、既に消滅時効の完成した債務は、法第14条第1項に規定する確実と認められる債務に該当しないものとして取り扱うものとする。

     

     

    (相続時精算課税適用者の死亡により承継した相続税の納税に係る義務の債務控除)

    14‐5 特定贈与者の死亡以前に当該特定贈与者に係る相続時精算課税適用者が死亡したことから法第21条の17の規定により当該相続時精算課税適用者の相続人(包括受遺者を含み、当該特定贈与者を除く。以下14‐5において同じ。)が当該相続時精算課税適用者の有していた相続時精算課税の適用を受けていたことに伴う納税に係る権利若しくは義務を承継した場合において、又は贈与者の死亡前に相続時精算課税選択届出書を提出しないで受贈者が死亡したことから法第21条の18の規定により当該受贈者の相続人(包括受遺者を含み、当該贈与者を除く。以下14‐5において同じ。)が当該受贈者の有することとなる相続時精算課税の適用を受けることに伴う納税に係る権利若しくは義務を承継した場合において、その承継した納税に係る義務は、当該相続時精算課税適用者又は当該受贈者の死亡に係る当該相続時精算課税適用者の相続人又は当該受贈者の相続人の相続税の課税価格の計算上、債務控除の対象とすることはできないことに留意する。

     

     

    (相続人の数が零である場合の遺産に係る基礎控除額)

    15‐1 法第15条第2項に規定する相続人の数が零である場合における同条第1項に規定する遺産に係る基礎控除額は、3千万円となるのであるから留意する。

     

     

     

     

    (胎児がある場合の相続人の数)

    15‐3 相続人となるべき胎児が相続税の申告書を提出する日までに出生していない場合においては、当該胎児は法第15条第1項に規定する相続人の数には算入しないことに取り扱うものとする。

     

     

    (代襲相続人が被相続人の養子である場合の相続人の数)

    15‐4 相続人のうちに代襲相続人であり、かつ、被相続人の養子となっている者がある場合の法第15条第2項に規定する相続人の数については、その者は実子1人として計算するのであるから留意する。

    (注) この場合の相続分は、代襲相続人としての相続分と養子としての相続分との双方を有するのであるから留意する。

     

     

    (「当該被相続人に養子がある場合」の意義)

    15‐5 被相続人の民法第5編第2章《相続人》の規定による相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人をいう。以下15‐5において同じ。)が兄弟姉妹である場合は、その相続人の中に当該被相続人の親と養子縁組をしたことにより相続人となった者があるときであっても、法第15条第2項に規定する「当該被相続人に養子がある場合」に該当しないのであるから留意する。

     

     

    (「当該被相続人の配偶者の実子」等の意義)

    15‐6 法第15条第3項第1号に規定する「当該被相続人の配偶者の実子で当該被相続人の養子となった者」とは、当該被相続人と当該配偶者との婚姻期間(婚姻後民法第728条第2項《離婚等による姻族関係の終了》の規定により姻族関係が終了するまでの期間をいう。以下15‐6において同じ。)において被相続人の養子であった者をいうものとする。また、法施行令第3条の2に規定する「当該婚姻後に当該被相続人の養子となったもの」とは、当該被相続人と同条に規定する配偶者との婚姻期間中において被相続人の養子となった者をいうものとする。

     

     

    (被相続人である特定贈与者よりも先に相続時精算課税適用者が死亡している場合の相続人の数)

    15‐7 特定贈与者の死亡以前に当該特定贈与者に係る相続時精算課税適用者が死亡したことから、法第21条の17又は第21条の18の規定により相続時精算課税適用者が有していた相続時精算課税の適用を受けたことに伴う納税に係る権利又は義務について承継があった場合において、当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者である被相続人の死亡に係る相続税額を計算するときは、法第15条第1項に規定する相続人の数には、当該相続時精算課税適用者は算入されないのであるから留意する。

    (注) 法第21条の17又は第21条の18の規定により相続時精算課税適用者の有していた相続時精算課税の適用を受けたことに伴う納税に係る権利又は義務を承継した者については、当該被相続人の相続人である場合(法第15条第2項かっこ書き及び第63条に該当する場合を除く。)に限り、法第15条第1項に規定する相続人の数に算入されることに留意する。

     

    (相続税の総額を計算する場合の取得金額)

    16‐1 法第16条の規定により相続税の総額を計算する場合における同条に規定する「各取得金額」は、遺産が分割されたかどうかにかかわらず、また相続又は遺贈によって財産を取得した者がだれであるかにかかわらず、相続税の課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を控除した後の金額を、法第15条第2項に規定する相続人の数に応じた相続人が民法第900条及び第901条《代襲相続人の相続分》の規定による相続分に応じて取得したものとして計算するのであるから留意する。

    (注) 15‐2の設例5の場合には、法第16条に規定する「前条第2項に規定する相続人の数に応じた相続人」の「民法第900条及び第901条の規定による相続分」は、養子1人((B)又は(C)のいずれか1人を特定することを要しないのであるから留意する。)1/2×1/2=1/4、(D)及び(E)1/2×1/2×1/2=1/8並びに配偶者1/2となる。

     

     

    (課税価格の端数計算)

    16‐2 相続又は遺贈(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものに係る贈与を含む。)によつて財産を取得した者の相続税の課税価格(法第19条及び第21条の15の規定の適用がある場合には、これらの規定による加算後の相続税の課税価格)を計算する場合において、その額に1,000円未満の端数があるとき又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるのであるから留意する。

     

     

    (相続税の総額を計算する場合の取得金額等の端数処理)

    16‐3 法第16条の規定により相続税の総額を計算する場合における同条に規定する「その各取得金額」に1,000円未満の端数があるとき若しくはその全額が1,000円未満であるとき又は相続税の総額に100円未満の端数があるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てても差し支えないものとする。

     

     

     

    (あん分割合)

    17‐1 法第17条に規定する「財産を取得した者に係る相続税の課税価格が当該財産を取得したすべての者に係る課税価格の合計額のうちに占める割合」に小数点以下2位未満の端数がある場合において、その財産の取得者全員が選択した方法により、各取得者の割合の合計値が1になるようその端数を調整して、各取得者の相続税額を計算しているときは、これを認めて差し支えないものとする。
     なお、上記の方法を選択した者について相続税額を更正する場合には、その選択した方法によって相続税額を計算することができるものとする。

     

     

    (遺贈により財産を取得した一親等の血族)

    18‐1 相続の放棄をした者又は欠格若しくは廃除の事由により相続権を失った者が遺贈により財産を取得した場合において、その者が当該遺贈に係る被相続人の一親等の血族(法第18条第1項に規定する一親等の血族に限る。)であるときは、その者については、法第18条の相続税額の加算の規定の適用がないのであるから留意する。

     

     

    (特定贈与者よりも先に死亡した相続時精算課税適用者が一親等の血族であるかどうかの判定時期)

    18‐2 法第18条第1項の規定に該当するかどうかは、被相続人の死亡の時の状況により判定するのであるが、特定贈与者の死亡に係る当該特定贈与者よりも先に死亡した相続時精算課税適用者の相続税額の計算において、当該相続時精算課税適用者が法第18条第1項に規定する被相続人の一親等の血族であるかどうかは、当該相続時精算課税適用者が死亡した時の状況により判定するものとする。

    (注) 当該特定贈与者と当該相続時精算課税適用者が離縁している場合などにおいて、当該相続時精算課税適用者が同項に規定する被相続人の一親等の血族であるかどうかの判定は、上記により行うのであるが、同項の規定による相続税額の加算の対象とならない部分の金額については、18‐5により計算することに留意する。

     

     

    (養子、養親の場合)

    18‐3 養子又は養親が相続又は遺贈により被相続人たる養親又は養子の財産を取得した場合においては、これらの者は被相続人の一親等の法定血族であるので、これらの者については法第18条の相続税額の加算の規定の適用がないのであるから留意する。
     ただし、被相続人の直系卑属が当該被相続人の養子となっている場合(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため、代襲して相続人になっている場合を除く。)の当該直系卑属については、相続税額の加算の規定が適用されるのであるから留意する。

     

     

    (相続時精算課税適用者について一親等の血族とする場合)

    18‐4 法第21条の15第2項及び第21条の16第2項の規定により第18条の規定を読み替えて適用する場合の「被相続人の一親等の血族」には、当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため、代襲して相続人となった当該被相続人の直系卑属を含むものとして取り扱うものとする。

     

     

    (相続税額の加算の対象とならない相続税額)

    18‐5 相続時精算課税選択届出書の提出後に特定贈与者と相続時精算課税適用者が離縁した場合など、相続開始の時において法第18条第1項に規定する被相続人の一親等の血族に該当しないことから同項の規定により相続税額が加算される相続時精算課税適用者の相続税額のうち、法第21条の15第2項又は第21条の16第2項の規定により当該加算の対象とされないこととなる部分の金額の算出方法を算式で示せば次のとおりである。

    ×

     

    (注) 算式中の符号は、次のとおりである。

    Aは、当該相続時精算課税適用者に係る法第17条の規定により算出した相続税額

    Bは、当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者の死亡に係る相続税の法第21条の15第2項又は第21条の16第2項の規定により読み替えて適用される法第19条及び第21条の14から第21条の18までの規定により計算された課税価格に算入された財産の価額

    Cは、当該相続時精算課税適用者の相続時精算課税の適用を受ける財産で特定贈与者の一親等の血族(法第18条第1項に規定する一親等の血族に限る。)であった期間内に当該特定贈与者から取得したものの当該取得の時の価

2017年8月25日